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2024.11.09

VRMコンソーシアムとKhronosグループ、3Dアバター形式「VRM」の国際標準化に向け協力開始

一般社団法人VRMコンソーシアムは、3Dアバター向けファイル形式「VRM」を国際標準として普及させるため、アメリカの非営利団体Khronosグループとの連携を発表。KhronosグループはVRMの基盤技術「Khronos glTF™ 2.0」を開発した組織で、両団体は今後プラットフォームの枠を越えたグローバルなオープン標準の実現に向けて協力を深めるとのことです。

この記事でわかること

  • VRMの国際標準化に向けた動き
  • VRMの国際標準化による変化・メタバースとの相互運用性
  • 普及の見通し・今後の展望

VRMコンソーシアムとKhronosグループ、グローバル規格に向けた連携開始

VRMコンソーシアム(代表理事:石井洋平)は、メタバース時代におけるプラットフォーム非依存の3Dアバター規格「VRM」の国際標準化に向け、アメリカの非営利団体Khronosグループ(President:Neil Trevett)との協力を開始。VRMはコンソーシアムの技術委員長である岩城進之介氏が提唱した日本発の3Dアバター規格で、2018年の登場以来国内のメタバース関連サービスで広く利用されています。

今回の協力によりVRMコンソーシアムとKhronosグループは、VRMとglTFの相互運用性を確立することでプラットフォームやサービスを超えた3Dアバターのグローバル標準化を目指しています。Khronosグループが開発した「glTF 2.0」は、ISO/IECの国際規格として認められており、VRMがこのglTFの公式拡張「Ratified Khronos Extensions」に統合されることでISO/IEC規格としても認識される可能性が出てきました。

VRMの役割とメタバース時代の相互運用性

メタバースのイメージ画像

VRMはメタバース時代における相互運用性を実現するために開発されたファイル形式です。視線設定や座標系の統一など複数のプラットフォーム間で一貫したアバター体験を提供するための要素が含まれています。また他者による利用や表現の制限など、アバター固有の権利情報も組み込めるようになっており安全かつ安心な利用・運用をサポートするものです。

なお国内におけるVRMは、メタバースプラットフォームである「cluster」や「バーチャルキャスト」などでの利用が進んでおり3Dアバター業界では事実上、標準規格となっています。今回Khronosとの協力により国際的にもその地位が確立されることで、メタバース関連企業やサービスの間でVRM規格がさらに普及することが期待されます。

glTFとの統合によるさらなる普及

KhronosグループはVRMコンソーシアムと情報共有を進め、glTFの公式拡張としてVRMの機能を組み込む準備を進めているとのこと。glTFは特に拡張性が高く幅広い製品で採用されている3Dファイル形式であるため、VRMがglTFの拡張機能に統合されることで国内外のメタバース市場においてさらなる普及が見込めるでしょう。現在KhronosがglTFの仕様として承認する拡張機能の多くは、メタバースや3Dアプリケーションで広く使用されています。VRMが公式のglTF拡張機能として認められることで3Dアバターの国際標準規格としての地位が築かれ、メタバース業界全体での採用が進むことが期待されます。

国際標準規格としての安定性と安心感・さらなる発展に向けた展望

メタバースのイメージ画像

VRMがKhronosおよびISO/IECの規格に採択されることで長期的に規格の安定性が保証され、ユーザーやクリエイター、デベロッパーにとって安心して利用できる基盤が整うことになるでしょう。こうした標準化の取り組みが進むことでメタバース業界そのもののさらなる発展が見込まれると同時に、国内外を問わず誰もが参加できる国境のないメタバース環境が実現されることを目指していけるようになります。

VRMコンソーシアムとKhronosグループは今後も定期的な協議を行い、VRMとglTFの統合プロセスを進めていくとしています。これによりプラットフォームやサービス間でシームレスに利用できる3Dアバター規格の実現に向け、メタバース関連業界全体への貢献を目指していくとのことです。VRMコンソーシアムおよびKhronosグループの活動や進捗については、公式サイト(vrm-consortium.orgkhronos.org)で順次公開される予定です。

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